世界は秘密と嘘に覆われた ー米ソの角逐は世界に紛争の種をもたらした

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Translation / 翻訳

 NHKの「新・映像の世紀第4集 世界は秘密と嘘に覆われた」の内容は以下の通りだ。


 米ソはナチスの科学者とスパイの争奪戦を行う。米国はナチス残党、1600人を雇ったが、その中には後にアポロ計画を推進するヴェルナー・フォン・ブランもいた。まるで、生物兵器を開発したとされる日本の731部隊の関係者たちが戦犯の容疑を免れたことを想起させるかのようだ。

キング牧師
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 「赤狩り」の時代、ハリウッドの映画界はその対象となった。売れない俳優だったレーガン元大統領はFBIのスパイで、政府を批判する者たちの言動を監視し、政府に密告していた。「(赤狩りに積極的に協力した)俳優組合の中に 私の方針に反対するグループがいますが 恐らく 共産党と つながりがある者たちと思われます しばしば破壊的な影響をもたらそうとしています(番組より)」。レーガンも現在のトランプと同じデマゴーグだった。


 イランの石油産業を国有化したモサッデグも「勇気ある政治家」「民主的な改革に取り組み、イギリスから石油資源を奪還した」人物として紹介されている。モサッデグは「イランは主権国家として 当然の権利を行使しているだけです」と語る。米国のアイゼンハワー政権は、モサッデグ政権下でイランの共産党(トゥーデ党)が台頭していることを懸念し、イランの共産化を怖れて、CIAの工作(100万ドルを軍人やごろつき集団に提供した)によるモサッデグ政権打倒のクーデターを成功させ、1979年の反米的なイスラム共和国成立の背景をつくることになった。

オードリー・ヘプバーン
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 ベトナム戦争でも、米軍とCIAが手を組み、北ベトナムと通ずると考える「共産主義者」を南ベトナムから一掃する破壊工作(フェニックス作戦)を始め、2万人以上が虐殺され、共産主義者が潜むとされた村が焼き払われた。「CIAの作戦はまるで見当違いで果てしなく暴走していった。私はCIAの一員として祖国アメリカを誇りに思っていたが それもベトナムに来るまでだった(CIA元工作員 ラルフ・マクギーの発言)」

ジョン・バエズ、ボブ・ディラン
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 ソ連は米国がベトナムに対して行ったような泥沼の介入を1979年末から80年代末にかけてアフガニスタンに行ったが、このソ連に対してレーガン元大統領は「(ソビエトは)悪の中核 侵略的行動をする悪の帝国だ」と語った。ソ連と戦わせるために、米国が武器・弾薬を提供し、軍事訓練を施した「ムジャヒディン」たちは、その後イスラム世界の過激な潮流をもたらし、「イスラム国(IS)」などの活動モデルとなり、いま、世界の混乱をもたらしている。

アイキャッチ画像はhttps://www.pinterest.jp/pin/521713938067016717/ より

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