作家・内田康夫さんの「反骨」「平和」の投書

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 作家の内田康夫さん原作の「浅見光彦シリーズ」はBS放送で頻繁に再放送があるので、リラクゼーションの一つとして視聴している。殺人事件の解明をする主人公の浅見光彦を地方の警察は煙たがるのだが、兄が警察庁の浅見刑事局長と知ると、途端に態度が変わり、光彦に一目を置くようになる。何やら「水戸黄門」を彷彿させるかのようだ。ストーリー展開が地方の伝説や歴史などと絡んで旅情をかきたてる作品が多かった。

http://www.tbs.co.jp/tbs-ch/item/d1212/index-j.html より


 内田さんが新聞への投書で、政治や社会に関する自らの考えを伝えていたことはあまり知られていないのではないか。


 2015年6月9日に毎日新聞の「みんなの広場」に投書し、6月4日の憲法審査会で自民党が推薦した長谷部恭男早大教授ら憲法学者の3人の参考人全員が安保法制は違憲だと表明したことに「日本の良識はまだ健在だ」と述べ、現行憲法が押し付け憲法であることを「改憲」の理由にしていることについて異議を唱え、「むしろ、帝国主義と軍国主義のもと、一方向しか見えていなかった国民に、広い視野と新たな価値観を与えてくれた贈り物として、大切にしていきたいものである」と評価している。長谷部教授は、従来の政府解釈が個別的自衛権のみを認めてきた点を踏まえて「(閣議決定は)どこまで武力行使が許されるのかも不明確で、立憲主義にもとる。『他衛』まで憲法が認めているという議論を支えるのは難しい。」と明言した。

内田康夫サスペンス 信濃のコロンボ〜死者の木霊〜
長野県警の刑事・竹村岩男(寺脇康文/中央)と警視庁の岡部和雄警部補(高橋克典/右)は謎のトリック殺人事件の謎に迫るが、そんな時、竹村の妻・陽子(麻生祐未/右)は…


 また、言論に対する暴力については憤りを露わにしていた。1992年5月26日の朝日新聞「声」欄では伊丹十三監督が暴漢に襲われたことについて、


「私たち文筆業者にとって大きな衝撃であった。かつて『悪魔の飽食』で森村誠一氏が右翼の標的にされたり、朝日新聞の小尻記者が射殺されたり、脅威が現実になった例は少なくない・・・伊丹氏の奇禍は言論人全員に対する挑戦と受け止め、覚悟を新たにすると同時に、警察の一層の奮起を望むものである」


 同世代の愛川欽也さんが2015年4月に亡くなると「学童疎開世代に共通しているはずの反戦平和主義も内に秘めたまま、声高に主張することをしない。内向的な批判精神は昭和ヒトケタ族特有のものかもしれないが、後の世代に伝えてゆきたいひそやかな遺言である」(毎日新聞「みんなの広場」2015年4月26日)


 投書はいつも「軽井沢町、作家、内田康夫」の肩書で行われていた。警世の投書をもっと読みたかった。

アイキャッチ画像は

内田康夫さん
https://www.mainichi.co.jp/kodo/message.html


浅見光彦シリーズの肇子(はつこ)役の
かわいい女優さんは相楽樹(さがら いつき)
という人です。
http://makatyouke.com/2017/10/30/post-464/
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