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湾岸戦争後、独自の中東イスラーム世界外交を行わなくなった日本 ―アラビスト外交官の回想

 片倉邦男元駐イラク・エジプト大使の『日本と中東イスラーム世界/Japan and The Middle East/the Islamic World』(松香堂書店)は、アラブ・イスラーム地域の文化人類学者だったご夫人の片倉もとこ氏(19...
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寛容と多様性のあるイタリア社会 ―ヤマザキマリさんのイタリア文化論

 イタリアはスペインと並んで拙著『イスラムがヨーロッパ世界を創造した』(光文社新書)のヨーロッパ側の主要な舞台で、イスラムはシチリア島パレルモなどを経由してヨーロッパにその蓄積したギリシア・ローマの文化を伝え、ルネサンスとして開花させた。...
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重大な人権侵害である「冤罪」 ―袴田事件と古今東西の事例は訴える

 昨年3月、東京高裁は「袴田事件」について再審開始を認める決定を行い、検察側の「証拠」が捜査機関のねつ造の可能性が極めて高いと指摘した。  この事件については静岡地裁の元判事が信念に反する判決書を書いたとことを告白し、袴田巌さんの無...
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ホーキング博士がイラク戦争、パレスチナ問題で訴えた「正義」

イギリスの著名な物理学者で、宇宙を探求し続けたスティーヴン・ホーキング博士は、2004年11月、ロンドンのトラファルガー広場で開かれた集会で、イラク戦争は虚偽に基づく「戦争犯罪」だと断じた。ホーキング博士は、戦争はイラクが大量破壊兵器を保...
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エジプト・マムルーク朝との交易を重視したヴェネツィア商人たち

 ヴェネツィアは、西ローマ帝国が493年に滅んだ後、ゲルマン系のランゴバルド族の大移動から逃れた人びとが漁業や製塩業が行われていた干潟に移り住んでつくった街とされている。ヴェネツィアが発展し、強国となったのは、特にエジプト、シリアなど地中...
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ユーラシアに広がる精神世界 ―奈良「修二会」

 奈良の東大寺二月堂で14日まで「修二会(お水取り)」の行事が行われている。  修二会は752年に初めて伝えられ、その法要は、「天下泰平」「五穀豊穣」「万民快楽」などを願って祈りを捧げ、人々に代わって懺悔(さんげ)の行を勤めるものだ...
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マルタ島の教会の鐘は日に5回鳴る?

 マルタ語の「四旬節(英語ではレント)復活祭前の準備期間、断食を伴う」は、ランダンといい、これはアラビア語の「ラマダーン(断食月)に由来する。金曜日のことを「イル・ジュマ(Il-Ġimgħa)」と言い、アラビア語の「アル・ジュムア(金曜日...
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東京大空襲と、非難されるべき空爆の加害者

 パブロ・ピカソの有名な作品「ゲルニカ」はそのモチーフとして、犠牲となる母と子、倒れる兵士、叫び声を上げる母を描き、牛はファシストの「侵略者」を圧倒するための希望を表すが、この作品でピカソは無辜の市民を殺害する空爆への怒りを表現した。 ...
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マレーシアと、イスラムの本当の「ジハード(努力)」とは?

 マレーシアは、2011年3月11日に東日本大震災が発生すると、その直後の3月17日にナジブ首相の主導の下に、マレーシア連邦下院において大震災に関する緊急審議が開催され、被災者への哀悼の意を表し、マレーシア国民及び国際社会に日本への支援を...
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僕は戦争は大きらい~やなせたかしさんが語る戦争

 やなせたかしさんの著書『僕は戦争は大きらい』(小学館、2013年)は、戦争を語るのも思い出すのも嫌だったやなせさんが戦争体験をまとめたものだった。  やなせさんは、「世の中全体が嫌なものはみんなやっつけてしまおう、というおかしな風...
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