過去に学ばない者は、過ちを繰り返す

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 作家の高村薫さんはAERAとのインタビュー記事の中で「私が有権者の政治意識で気になるのは、すぐに忘れてしまうことです。」と述べている。確かに2018年11月の総選挙では森友問題で虚偽答弁を行い、スーダンの日報問題で監督責任を問われた稲田元防衛大臣は2位を大きく引き離しトップ当選を果たしているし、加計学園との関わりが疑われた下村博文元文科大臣も同様の結果で当選だった。


「過去に学ばない者は、過ちを繰り返す」
―ジョージ・サンタヤーナ (スペイン出身のアメリカの哲学者・詩人)


 人間は過ちを犯すものだが、過去に学ばない者は人間の優れた能力である過去に学ぶという能力を放棄している。私たち有権者も過去を容易に忘れてはならない。


過去に目を閉じる者は現在に対しても目を閉じる。
非人道的行為の記憶を拒むものは誰であれ、
再び同様な危険を冒すことになる
―リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー


「歴史から何を学び、現在及び将来にどう生かすか」ということは一つの重大な命題である。我々は日常生活で何か大きな出来事に直面した場合、自らの経験だけでなく、過去の類似した出来事を参考にその問題に対処することもある。しかし最近の有権者の政治意識のようにごくごく近い過去を忘れてしまうのでは、過去の過ちが際限なく繰り返されてしまう。森友・加計問題のような不正な行為が政治家の介入、あるいは「忖度」によって今後も続けて行われていくことを懸念する。スキャンダルや失言・放言まみれの政治家を当選させてしまう国民の責任も重大だ。桂歌丸さんは以前「笑点」の挨拶の中で、公務中にサウナやスポーツセンターに行ったりする知事や市長を応援する人たちがいたら彼らもまったく同罪ですと語ったことがあった。


「過去は未来への道の灯である」-イランの歴史書のタイトル


恩恵の扉を叩く者を友と見なすな
友を自負し、兄弟と呼ぶような者を
私は友の手を取るものが友であると考える
心乱れ、困窮した中にあって
―サーディー「ゴレスターン」

神代植物公園のバラ 2022年10月23日


 今の政治は、正義はともかく、自らの地位や権力の保持のために強い側につこうとする政治家の姿勢が顕著で、弱者に寄り添う姿勢が希薄だ。政治が「烏合の衆」化して「恩恵の扉を叩く」姿勢が顕著になっている。
アイキャッチ画像は韓国の女優
ハン・ジミン
http://tong.visitkorea.or.kr/…/98/991898_image2_1.jpg

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