有名なフォークソング「花はどこへ行った」は米国の歌手ピート・シーガーの代表作で、「花はどこへ行った 少女が摘んだ」、「少女はどこへ行った 男たちのもとへ嫁いでいった」、「男たちはどこへ行った 兵士となって戦場へ行った」、「兵士はどこへ行った 死んで墓に入った」、「墓はどこへ行った 花で覆われた」と続き、戦争を連鎖のように繰り返すことの愚かさを訴える。
俳優の加藤剛さんは「私の姉の夫は(マリアナ諸島の)テニアン島で玉砕しました。戦争は人間を狂気にさせます。戦場でなくても自分より力のないもの、弱いものをいじめ、差別するなど人間を歪めてしまいます。みんながテレビや映画、演劇、文芸などを通して追体験をして戦争の愚かさを知り、絶対にしちゃいけないと、とくに若い人に知ってもらいたいですね。」と語っている。
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ガザのパレスチナ人の人口はおよそ170万人で、そのうちの120万人はネゲブ地方など現在のイスラエル南部からガザに難民として逃れた家族たちだ。ガザでは50万人の人々が「世界一人口稠密」と形容される5か所の難民キャンプに住む。1947年11月の国連総会決議181号では難民として現在のイスラエルから逃れたパレスチナ人に対する補償が与えられることになっているが、いまだに実現していない。
ガザ地区の失業率は40%(世界銀行など、実際はもっと多いと思う)で、大恐慌時代の米国の失業率が25%だからいかに深刻かわかるだろう。貧血症に苦しむガザの子供たちは18.9%、飲用に適した水は10%、稼働する空港、港湾はゼロである。イスラエルのタカ派政権がパレスチナ人にしていることは、かつてユダヤ人がナチスにされたことと同様な民族浄化だ。
イスラエルによるガザ封鎖では人の心を制することができないと思わずにいられない。イスラエルに求められているのは国連安保理決議などに基づくパレスチナとの共存や和平、またパレスチナ人の民生の安定への協力だ。イスラエルは「花はどこへ行った」の世界のように戦争や暴力という負のスパイラルを繰り返している。
川の岸べに生え出(い)でたあの草の葉は
美女の唇(くちびる)から芽を吹いたため息か。
一茎(ひとくき)の草でも蔑すんで踏んではならぬ、
そのかみの乙女の身から咲いた花。
オマル・ハイヤーム

「緑のトンネル」
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