多くの国民の理解がないままに「共謀罪」は2017年6月15日に成立した。6月15日といえば、1960年に日米安保改定の際に国会突入を図った市民・全学連と、警官隊が激しく衝突した日だ。
アメリカでも大ヒットした「上を向いて歩こう」は、永六輔氏が1960年の安保闘争に加わり、挫折した時の心情を歌詞にしたものだ。彼には、自分の仕事を減らしても、政治を変える、戦争の廃墟からの復興をもたらした日本の平和をどうしても守りたいという切なる想いや、運動は挫折して悲しいけれど、日本の将来のために上を向いて歩んでいこうという決意があった。

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永六輔氏はクレージーキャッツとも親交があった。クレージーキャッツは、1960年6月19日、安保改定に反対して国会に駆け付けていたが、安保が自然承認された後の深夜、クレージーキャッツが口ずさんだ「赤トンボ」がやがて大合唱となり、敗北感に打ちのめされた学生たちに感動を呼んだという。
ハナ肇氏は、「メンバー全員の足が自然と国会に向き、誰からともなく歌声になったんだよ」と話し、永六輔氏は、「・・・国会前のデモには、あのクレージーキャッツも来ていて、彼らが静かに『赤とんぼ』を唄ったんですね。それを聴いたとき、僕はとても感動した。でも、そのときの感動って、とてもひとことですませられるようなものではないですよね。・・・」と語っている。
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ハナ肇氏は、「岸さん私たちの意見も聞いて! スターに聞く 三木鮎郎の街頭録音」『週刊平凡』1960年6月8日号「週刊平凡」)で三木鮎郎氏のインタビューに答えて「安保改定を自民党が強行したことにはすごく反対だ。新安保の内容は国民一人一人に不明確にしか理解されていないのに、これじゃコソドロのやり方だ!』」と語っている。
まったく「共謀罪」成立の過程を彷彿とさせ、「コソドロのやり方」が繰り返された。しかし、阻喪ばかりしてはいられない。日本の将来のために上を向いて歩んでいくしかない。
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