イスラム神秘主義の詩人のルーミー(1207~73年)は「善なる言葉」という詩句の中で次のように述べている。
永遠の御方への最上の贈り物とは
選び抜かれた善なる言葉をまとう吐息
贈り物の後には神の恩寵がもたらされよう
慈悲深き御方はありとあらゆる恩寵もて
善なる言葉に報いたもう
また、彼は「私には、私の統べる魂の王国がある。だのにどうして、私が誰かの機嫌を伺い媚びへつらい、世辞を言う必要があろうか。」と述べている。
ルーミーは、へつらいの言辞は、善きものではなく、神の恩寵もなく、人々の将来を危うくさせてしまうということを強調した。

イラク開戦の時に、哲学者の山脇直司東京大学教授は「アカデミシャンとしての私が今一番一番懸念していることは、アメリカを無邪気に支持し、フランスなどを非協力と言って批判する小泉首相や川口外相のお粗末きわまりない答弁の背後にいる『外務省お抱えの御用学者』の存在です。」と語った(ウィキより)
山崎教授が問題にしたのは、ある東大教授の「武力介入をしていくために国連の安保理決議が必要かどうかに関しては、イラクに対して国際社会の総意を示すのが望ましいが、不可欠とは思えない。国連安保理が新たな決議案を承認しないがために武力行使を中止したと仮定した場合でさえ、大量破壊兵器がテロリストグループに渡る危険性を削減する手段として、武力行使は査察の継続よりも有効だということができる。安保理の一部常任理事国が、アメリカの武力行使に拒否権を発動するのは、現在の国際秩序の維持に反対することを意味する。最後に、米国の武力介入に対し、日本はそれを支持すべきかどうかに関して、私は支持すべきだと信じる。早期の武力行使は査察継続より効果的だという議論から、日本は早期の武力行使を支持すべきだろう。」
学者らしく、回りくどい表現だが、要するに言いたいことは「イラク戦争には国連安保理決議は必要ではなく、大量破壊兵器がテロリストにわたらないためにはイラク戦争は不可欠であり、日本はそれを支持すべきだ」というものだ。この「学者」は、この発言に責任を感ずる発言はまったくせず、安倍首相の肝いりの安保法制懇のメンバーになった。
「へつらい者たちが会合すると、悪魔が晩餐に来る」(ジョン・レイ:イギリスの自然科学者)「懐疑の課題がないなら、真理の探究はできない」 (倉田百三)「真理を探究するのであれば、人生において一度は、あらゆる物事をできる限り深く疑ってみる必要がある」(デカルト)
政府の主張にいつでも追随するばかりでは真理の探究という学者としての使命を果たせないことはいうまでもない。
アイキャッチ画像は米国ネブラスカ大学
http://news.unl.edu/…/libraries-offer-events-to-cut…/
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