同胞よ
生きろ 生きろ
不義に直面しても こぶしを高く挙げてきた
それはこれまで抵抗してきた私たち世代のシンボルだった
若い世代を揺さぶり こう言え
私は抵抗した。今度は君たちが抵抗する番だ、と
これは、「地球とオリーブの詩人」とも形容されたサミーフ・アル・カースィム(1939~2014)の詩の一節だ。
カースィムは、ヨルダンのザルカでドルーズ派の家庭に生まれ、現在はイスラエル北部にあるラーメの町で育った。1948年のイスラエル建国に際しても家族は難民となって逃れることはなかった。1960年にはドルーズ派に課せられる徴兵を忌避して獄中生活を送ることになった。1967年にイスラエル共産党に参加して、第三次中東戦争の勃発とともに再び刑務所での生活を余儀なくされる。詩作によってパレスチナ人の心情と、その民族的権利を唱道した。

オリーブの木は世界平和のシンボルだが、中東イスラム諸国では、美しいオリーブの木が生育してきた。グレコ・ローマン時代からオリーブは、神話の中でも語られるほど伝統のある農産物である。
しかし、パレスチナではオリーブ畑がイスラエルの破壊の対象となり、イスラエルの入植地が拡大されると伐採されてきた。
オリーブ畑の破壊は、パレスチナ人の農業、経済、さらにはアイデンティティにまで深刻な影響を及ぼすようになっている。オリーブはパレスチナ人の農民たちにとって重要な経済手段であり、オリーブ油、オリーブ石鹸、あるいは木材などの原材料となる。パレスチナではオリーブは輸出品目のうち2番目で、果実全体の収入の40%を占める。

https://spur.hpplus.jp/culture/news/201711/18/JSWVmSA/
オリーブの樹齢は平均で400年、さらには700年も1000年も生き延びるものもある。パレスチナではオリーブの樹は4000年もの間、生産されてきたと見られている。パレスチナ人はオリーブの樹と彼らの土地を一体視し、自らのシンボルと考えてきた。オリーブはパレスチナ人の絵画や、本の表紙、ロゴなどに用いられている。
コーラン(クルアーン)やトラ(ユダヤ教の聖書)でも、オリーブは平和、人々の営み、豊饒の象徴として描かれている。また、オリーブは多くのオレイン酸を含み、生活習慣病の症状を改善、予防するとも言われている。

http://blog.livedoor.jp/shirokuma…/archives/4485947.html
国際法に違反する入植地に住むイスラエルの極右入植者たちのオリーブの木を伐採するという不当な行為に対して国際社会は重大な関心をもち、その停止を図っていかなければならない。
カースィムの詩は https://globalvoices.org/…/i-dont-love-you-death-but…/ より
アイキャッチ画像は
サミーフ・アル・カースィム
http://alapn.com/ar/news.php?cat=5&id=35328
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