オリバー・ストーン監督の長崎訪問と戦争経済

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 今日は長崎原爆記念日だが、2013年に米国の社会派映画のオリバー・ストーン監督は広島に続いて長崎を訪れた。NHK・BSで放映された「オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史」でも、軍産複合体の利益や思惑など米国が戦争をやめられない理由が語られていた。


 ストーン監督の「国境の南(2009年)」というドキュメンタリー映画では、彼がアルゼンチンのネストル・キルチネル前大統領にインタビューを行っている。そこでキルチネル前大統領は、ジョージ・W・ブッシュ大統領と2004年1月のメキシコ・モントレーのサミットで会話した際に、ブッシュ大統領が「マーシャル・プランは米民主党のクレージーなプランで、経済を活性化させるのは戦争で、米国は戦争とともに経済発展を遂げた」と語ったことを暴露している。
その動画は下にある。
https://www.youtube.com/watch?v=fI446mXonu0


 戦争で儲けるという発想がなくらない限り核兵器の廃絶もできない。


 2010年4月にオバマ政権は「核態勢見直し報告書(Nuclear Posture Review Report)」を出した。この報告書は議会によって要求されたもので、アメリカの核政策、核戦略、核能力に関する方針を明確にするものとされた。


 このオバマ政権の「核態勢見直し報告書」は、ブッシュ政権のものを踏襲する性格のもので、核兵器の廃絶に向けての方策について書かれたという性格のものではない。


 オバマ政権の2010年の報告書は、核兵器が存在し続ける限りは、核兵器の有効な備蓄を行っていくことを明らかにした。ロスアラモスやオークリッジでの核施設では、プルトニウムやウランが生産され、その年間予算は60億ドルから70億ドルと見込まれている。


 2011年の財政年度、オバマ政権はアメリカの核弾頭生産のための予算の増額を行ったが、その増加幅はアメリカ史上最大のものであった。ロスアラモスの研究所は22%の増額で、これも1944年以来最大の増額であった。

長崎
止まった時計
http://www.tumblr.com/tagged/%E9%95%B7%E5%B4%8E


 実際、人類を破滅に導きかねない核兵器の製造はアメリカの軍産複合体に大きな利益をもたらすようになっている。ボーイング社、ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマン、レイセオンは、核兵器の実験や製造で莫大な利益を得ている。毎年、広島や長崎の原爆記念日で核廃絶が唱えられても、アメリカの軍産複合体が核兵器の製造から莫大な経済的利益を得ている限り、アメリカによる核兵器の製造は止むことはないだろう。

アイキャッチ画像は下の動画より

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