パレスチナの女性詩人ファドワ・トゥカーン (Fadwa Tuqan)(1917~2003年)はパレスチナの復活への希望や夢を下のようにオリーブに託して詠んだ。
「オリーブの木の根は私の土壌から生えておりいつも新鮮だ。その光は私の心から放たれて霊感を与えてくれる。我が創造主が、私の神経、根、体を満たすまで、彼は自分の中に生まれ成熟のために、その葉を揺らしながら立ち上がったのだ」
https://www.arabnews.jp/article/middle-east/article_55424/
パレスチナなど地中海地域で多く採れるオリーブは、平和の象徴と広く見られている。オリーブが国連旗に描かれるなど平和のシンボルであるのは旧約聖書『創世記』8章の「ノアの箱船」に関する記述「神が起こした大洪水の後、陸地を探すためにノアの放った鳩が、オリーブの枝をくわえて帰ってきた。これを見たノアは、水が引き始めたことを知った」というものによるものだ。

https://www.harpersbazaar.com/jp/celebrity/celebrity-news/a29495273/bella-hadid-most-beautiful-191017-hns/?fbclid=IwAR18buOlGBXviq-Vwa175TR4bPEQ6a3J56gGAOaF_67CUjWI2yjUvFZtZNE
平和の象徴のオリーブだが、イスラエルが占領するヨルダン川西岸では、イスラエルの入植者たちによるオリーブの伐採などの事件が後を絶たない。1月18日、ヨルダン川西岸ヘブロンの南にあるマサーフェル・ヤッター村で30本のオリーブの苗木が伐採された。ヨルダン川西岸の占領地では入植者たちによる暴力がエスカレートし、トル・ウェネスランド国連特別コーディネーター(中東和平プロセス)は、オリーブの収穫が始まった昨年10月4日以来、3000本のオリーブの木が傷つけられるか、盗まれたと報告している。
また、パレスチナ人農民、ボランティア、人道スタッフに対する入植者たちの暴力も、イスラエルの治安部隊の目の前で起こっている。現在、ヨルダン川西岸には145の入植地が存在し、66万6000人の入植者たちが住んでいてパレスチナ人たちの生活空間はいよいよ縮小するようになっている。
22年1月、イスラエルの治安部隊は、ブルドーザーで東エルサレム・シェイフ・ジャッラーのサルヒーエ家の家屋を破壊し、13人の家族たちを冬の寒空の下に置き、家族が抵抗すると、閃光弾を放って彼らを逮捕した。イスラエルのこうした行為が国際法に違反するものであることは明らかで、東エルサレムは国際法や国連決議で占領地と認められ、被占領民の土地を奪うことはジュネーブ第4条約に違反する戦争犯罪だ。
シェイフ・ジャッラーの立ち退きについては、先日も紹介したナタリー・ポートマン、またイギリスのシンガーソングライターで、モデルのデュア・リパ、モデルのベラ・ハディッド、女優のスーザン・サランドンなど世界の多くの著名人たちも抗議の声を上げ、オリーブの木を伐採し、軍事占領を継続するイスラエルの不正義は世界で強く意識されるようになっている。アメリカはロシアのウクライナへの軍事侵攻を問題視して、緊張が高まっているが、アメリカはイスラエルの軍事占領も公平に抗議の声を上げるべきだ。

https://www.albawaba.com/entertainment/weekly-video-celebrities-reactions-palestine-sheikh-jarrah-crisis-1428668?fbclid=IwAR0YYts1Jny_wsqlciB-jVn-0zYARGA6vdrzpqd2c-3pmzcCCDJS5oM79hg
同胞よ
生きろ 生きろ
不公平な状況におかれても 手を高く挙げて
世代交代の象徴だ
新しい世代を揺さぶって こう言え
「私は抵抗した。今度はあなたが逆らう番だ」
(「地球とオリーブの詩人」とも形容されたサミーフ・アル・カースィム〔1939~201〕の詩の一節)
アイキャッチ画像はオリーブを収穫するパレスチナ人男性
https://www.dailysabah.com/world/mid-east/israel-bans-palestinian-landowners-from-entering-their-own-olive-gardens-in-occupied-west-bank?fbclid=IwAR2sTQO-TRIH3gmSv0tLW2YyZFOD-Lf0X6ADln65683aXKCjBjys8oRCtbA
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