オバマ元大統領の回顧録『約束された土地(Promised Land)』で、彼はイスラエルを批判する人は「反イスラエル」とレッテルを貼られ、次の選挙では、親イスラエル・ロビー(圧力団体)によって潤沢な選挙資金を与えられた候補と競合せざるを得なくなると述べ、イスラエルを批判することの政治的コストを強調している。オバマ氏は、AIPACを「反パレスチナ・グループ」と形容し、この圧力団体はイスラエルのネタニヤフ首相の極右イデオロギーを反映し、たとえアメリカの利益に反していようが親イスラエルの政策をアメリカにとらせようとすると語っている。

http://gakugei.shueisha.co.jp/obama/
トランプ政権のクリストファー・ミラー国防長官代行の補佐官に任命されたダグラス・マグレガー氏は、アメリカの政治家はイスラエルを支持することによって、とてつもなく金持ちになると述べ、政治家がイスラエルを支持するのは、金のみを動機とするものであり、アメリカの親イスラエル・ロビーはアメリカを戦争に引きずり込むと発言した。これはCNNの2020年11月13日の報道だが、CNNは19年マグレガー氏がポンペオ国務長官もイスラエル・ロビーやサウジアラビアなどから金を受け取っていると語ったことも伝えている。また、ボルトン元国家安全保障担当補佐官もイスラエル・ロビーを無条件に支持することによって、極めて富裕になったと語っている。

イスラエルのガザ攻撃を批判
https://www.pinterest.jp/pin/430867889345058974/
マグレガー氏はトランプ大統領に忠実な人物として任命されたが、トランプ大統領自身が親イスラエルの姿勢が顕著なため、彼の発言はトランプ政権の支離滅裂をあらためて浮き彫りにした。親イスラエル・ロビーはマグレガー氏を「反セム(=反ユダヤ)主義者」と形容した。マグレガー氏はアメリカ最大の親イスラエル・ロビー「AIPAC(アメリカ・イスラエル公共問題委員会)」は莫大な資金をもち、多年にわたってアメリカ議会に影響を行使したとも述べた。

ジミー・カーター元大統領もその著書『カーター、パレスチナを語る―アパルトヘイトではなく平和を』(2008年)の中で、イスラエルとパレスチナのバランスを図ることはアメリカの政治家にとってほぼ政治的自殺に等しく、ごくごく少数の議員しか、パレスチナのヨルダン川西岸ラマッラー(ラマラ)、ナブルス、ヘブロン、ガザ、ベツレヘムを訪れようとしないと書き、またアメリカ人にはパレスチナ人に対する忌まわしい抑圧を知ってほしいと語っている。
イスラエルを批判したハンナ・アーレント、アメリカの哲学者ジュディス・バトラー、エドワード・サイード、アンジェラ・デイヴィスなども「反セム主義者」と呼ばれてきたが、イスラエルのパレスチナ人に対するアパルトヘイトと入植地拡大のような植民地主義を批判することが「反セム主義」と無関係であることは言うまでもない。

https://www.themarysue.com/judith-butler-calls-out-trouble-gender-critical-feminists/?fbclid=IwAR19q_a52K8hcc1cFaXb53zcfmEfV1Z3RlWtjTB428qdB6dEtLgpfe7BRPA
コメント