2015年9月に成立した安全保障関連法の議論の中で「地球の裏側」にまで自衛隊を派遣すると主張する政治家たちが現れた。「地球の裏側」という表現が出たことで、1982年にアルゼンチン沖にあるフォークランド諸島(アルゼンチン名:マルビナス諸島)で戦ったイギリス軍兵士たちのことを思い出した。1982年4月にアルゼンチン軍がフォークランド諸島を制圧すると、イギリスのサッチャー政権は3万人の兵力を投入し、同年6月にこの島を軍事的に奪還した。

https://www.thoughtco.com/the-falklands-war-an-overview-2360852
この紛争の様子は1988年にNHK特集で放映された「栄光の代償(兵士が語るフォークランド戦争)」に詳しい。https://www.youtube.com/watch?v=hkRzZtvHoPg
このドキュメンタリーではフォークランドに上陸したイギリス軍を率いたジュリアン・トンプソン英海兵隊准将は、「女王と国のために死ぬことをいとわないとしても、政治家のために死のうと思う人間はいないはずです」と述べている。
クリス・キーブル英第二空挺大隊少佐「喜びなどもなく、すべてはただ悲劇です。戦争とは愚かで汚く悲惨なものです。二度と戦争を許してはなりません。」と語っている。
イギリス兵が「勝利の帰還」をすると、サッチャー首相は「我々英国国民は成されたことを誇りに思い、島々につづられた英雄たちの歴史を誇りに思い、機動部隊をたたえる今日の日を誇り 英国人であることを誇ります。」と演説した。
イギリス兵の夫を紛争で失ったドロシー・フォークスさんは「イギリス領土への侵略に対して戦ったのです。それは誇りの問題でした。この国にも国民にもその誇りが必要なのです。そのための戦いでした。そのため私の家族が払った代償、どんなに大きな代償だったか。でも国家には価値ある代償だったのでしょう」と最後に悲しそうにポツリと述べる。

https://blogpatagonia.australis.com/falkland-islands-tourism-unmissable-wildlife-islands/?fbclid=IwAR38HDbQzBpHrxKkNuZ8obLwoOqhBkiQKshSVWJG7krg0DdVmJScR8JX5OY
政治家のために死にたいと思う人間はいないだろう。キーブル少佐が言うように戦争は人間の営みの中で最も醜悪なものである。一部の政治家たちの「誇り」の犠牲となる日本人が出ることはぜったいに回避したい。
アイキャッチ画像はフォークランド紛争
イギリス・アルゼンチン軍の動き
https://en.wikipedia.org/wiki/Falklands_War

http://www.whosdatedwho.com/dating/clemence-thioly
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