徳島県の阿南神召キリスト教会の礼拝メッセージによれば、「クリスマスは神の愛が示された日」だという。そこには「天と地を創造された父なる神は、人間を愛していたので、その証としてイエスさまを遣わされました。イエスさまには一つの使命がありました。それは人間の罪を赦し、神と和解させるという働きでした。そのために十字架にかかって死ななければなりませんでした。」と書かれている。
詩篇19:1~4「天は神の栄光を語り告げ、大空は御手のわざを告げ知らせる。 19:2 昼は昼へ、話を伝え、夜は夜へ、知識を示す。 19:3 話もなく、ことばもなく、その声も聞かれない。 19:4 しかし、その呼び声は全地に響き渡り、そのことばは、地の果てまで届いた。」
日本ムスリム協会のウェブには「愛はアッラーに対する敬愛(称賛と嘆願)と人同士の愛情(アッラーの好まれるものを愛すること)がある」とある。イスラム信仰の命題の中心にあるも「愛」だ。
あなたがなすべきなのは、愛を探すことではなく、あなたの中で愛に対して築いたすべての障壁をただ求め、見つけ出すことなのだ
―ルーミー
人々が心の中に神の愛を感じ、また自我を否定することによって平和を築こうとするのがスーフィズム(日本ではイスラム神秘主義などとも訳される)である。スーフィズムの根幹にある精神は中庸と寛容(愛)と、日本で信仰される仏教の教えにもひじょうによく似ていて通底するものが大いにある。冒頭の言葉を残したルーミー(1207~73年)は、アフガニスタンのバルフ近郊で生れ、モンゴルの侵攻を逃れて各地を放浪した後にトルコのコンヤに定住したが、ペルシア語で作品を残したために「ペルシア文学最大のイスラム神秘主義詩人」とも形容されている。

スーフィズムは神の愛を強調しながらも人間相互の差異、相違よりも普遍性や一体性を重んじる。神の愛を何よりも重んじるスーフィズムの教団はこのルーミーの言葉とビートルズの楽曲「All You Need Is Love (愛こそはすべて)」との共通性を見る。「All You Need Is Love (愛こそはすべて)」はジョン・レノンが作った楽曲で、ビートルズのベトナム戦争反対の想いが込められている(ウィキ)。イントロにはフランス国家の「ラ・マルセイエーズ」が使われているが、ジョン・レノンにはフランス国歌に表現される好戦的ナショナリズムを皮肉る意図があったのだろう。フランス国歌の歌詞には「敵の不浄なる血で耕地を染めあげよ!」「暴虐な虎共には容赦無用なり!」などの先鋭な言葉がある。

それに対してビートルズの「愛こそはすべて」は愛をひたすら強調し、フランス国歌の価値観をまるで皮肉るようだ。
〔All You Need Is Love (愛こそはすべて)〕
All you need is love, all you need is love
All you need is love, love, love is all you need
All you need is love
All you need is love, love, love is all you need
君が必要なものは愛、君が必要なものは愛さ
君が必要なものは愛、愛なんだ、愛こそすべてさ
君が必要なものは愛
君が必要とするのは愛、愛なんだ、愛こそすべてさ
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