ハッピー・クリスマス(戦争は終った) ―ジョン・レノンが夢想したアラブ・イスラエル和平

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Translation / 翻訳

「ハッピー・クリスマス(戦争は終った)」はジョン・レノンとオノ・ヨーコが1971年にリリースした楽曲だが、歌詞の一部は下のようになり、二人の平和への想いが表現される。

今日はクリスマス

あなたはどんな1年を過ごしたの?

また1年が終わり

新しい年が始まる

So this is Xmas

And what have you done?

Another year over

And a new one just begun

そして今日はクリスマス(戦争は終わる)

弱者も強者も(あなたが望めば)

金持ちも貧乏人も(戦争は終わる)

遠い道のりだけど(今すぐに)

And so this is Christmas (War is over)

For weak and for strong (If you want it)

For rich and the poor ones (War is over)

The road is so long (Now)

そのジョン・レノンがパレスチナ和平にも関心を寄せていたことはあまり知られていないだろう。ジョン・レノンは、海賊ラジオ局「平和の声」を起ち上げたイスラエルの平和活動家エビ・ナタン(1927~2008年)が「平和の船」を購入するのに、経済的支援を行った。ナタンは、イスラエルの平和活動家で、ヨルダン川西岸におけるイスラエルの入植活動がイスラエルとパレスチナの共存を損なうものとして強く反対し、ハンガー・ストライキまで行った。

 エビ・ナタンは、イランのアバダン(アーバーダーン)でユダヤ人の家庭に生まれ、イラン空軍の兵士だったが、1948年の第一次中東戦争で義勇兵としてイスラエル軍とともに戦った。その後、イスラエルのエル・アル航空に勤務した。彼は自分の複葉機「シャローム(平和)1号」で1966年2月28日、エジプトのポート・サイードに密入国し、そこで逮捕された。彼は、エジプトのナセル大統領にエジプト・イスラエルの和平を訴える書簡を手渡そうとして、面会を求めたのだが、かなわずに、イスラエルに強制送還となり、そこでまた逮捕された。

エビ・ナタン
http://futuro.aiponline.com.ar/abie-nathan-un-luchador-por-la-paz/

ナタンは1978年にイスラエルの占領地における入植地建設に抗議してハンガー・ストライキを行い、その後もアラファトなどPLO(パレスチナ解放機構)の指導者たちと面会し、イスラエル当局によって逮捕され、有罪になったこともあった。ナタンへの支援は、ジョン・レノンにとって彼が理想とする世界平和の達成にとって必要なことと思われたに違いない。ナタンは、イスラエルによる入植地建設に最初に明確に反対したイスラエル人で、その意味でもジョン・レノンの支援は画期的なことだった。

アーティストの平和へのメッセージは若者を含めて世界の多くの人々に大きな影響力をもつ。その意味では世界のレジェンドであるジョン・レノンの平和への「遺産」には重要な意義があるといえるだろう。

A very Merry Xmas

And a happy New Year

Let’s hope it’s a good one

Without any fear

メリー クリスマス

そして、新年おめでとう

いい年になるよう祈ろう

恐怖のない世界になるように

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