不断の歩みこそ生きていることの証ではないか

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Translation / 翻訳

インドの詩人ムハンマド・イクバール(Muḥammad Iqbāl, 1877–1938)のウルドゥー詩「旅 するヒズル」の「砂漠の旅」の一節に


私が砂漠を旅することに何故おまえは驚くのか
不断の歩みこそ生きていることの証ではないか
おお、屋内に座す者よ、見たことがないのか
砂漠に出発の鈴音が鳴り響く光景を 悠然と砂丘を歩く鹿の歩きぶりを
身一つで休み、里程標のない旅を続けるのを 暁に素早く動く星が現れ出るのを」

というものがある。
https://kias.asafas.kyoto-u.ac.jp/1st_period/contents/pdf/kb2_2/17matsumura.pdf?fbclid=IwAR153WvyFTRc80tAvoXfjvRs8yPk9XZDIIuwOU16W7vBIgD3gQ63HvJbWQE


さらに彼の作品の「イスラームの夜明け」には
確固たる信仰、不断の努力、世界を魅了する愛――
これらこそ生の闘争における勇者の剣である
勇者に必要なのは気高い精神、高潔な人格   
燃える心、清らかな眼、奮い立つ魂である


と表現される。イクバールはペルシア語、ウルドゥー語で優れた作品を遺し、インド亜大陸のイスラーム国家を創設するという考えを提唱した人物でもあり、パキスタン国家創設に重要な示唆を与えた。
 「不断の努力や歩み」「気高い精神」「高潔な人格」をもった人物が政界で目立たなくなった。公約を破り、虚偽の答弁を繰り返していてはとても「高潔」とはいえない。「筋を通す」を英語で言えば、「be consistent」になるだろうが、「まさに不断の、一貫した誠実な努力や姿勢」が国民のためには必要だ。


 水天宮のホテルで開かれた「中近東アフリカ婦人会」のバザールに顔を出したことがある。イエメン、シリア、パレスチナなど紛争国や係争地域のブースも並び、これらの国や地域の工芸品や食品、また料理が売られていた。チャリティバザールの収益は在京の各国大使館を通じて中近東アフリカ諸国の福祉施設の運営などに役立てられると関係者は言っていた。

チュニジアのブースにて


 「情けは人のためならず」とは、「人に情けをかけるのは、その人のためになるばかりでなく、やがてはめぐりめぐって自分に返ってくる。人には親切にせよという教え。」という意味である。アブデュルレシト・イブラヒム(1857~1944年)はタタール人で、ロシア帝政の対イスラーム政策に反発して、ロシアのムスリム運動を指導した。彼は、日本を訪問した際に「イスラーム文明こそ本当の人道主義といえましょう。相互扶助、互恵の精神、これすべてイスラームの特徴です」と説き、そのイスラームの徳は日本人によく備わっていると日本人の高潔を称賛した。他文明の人々から称賛されるような日本人の高潔を取り戻したい。

パレスチナの刺繍
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