「ヒトラーはユダヤ系少女と仲良しだった……写真競売に」という記事をBBCニュース・ジャパンが伝えた。ヒトラーがユダヤ系の少女ローザ・ベルニール・ニナウさんと嬉しそうに写真におさまっている。ローザさんと誕生日が同じと知ったヒトラーは、彼女と母親を彼の別荘ベルクホーフに招き入れたという。そしてこの写真をローザさんに送り、「親愛なるローザへ」と写真に書き込んだ。ローザさんは少なくとも17回ヒトラーに手紙を書いたが、ヒトラーの個人秘書が、ローザさんがユダヤ系であることを知り、1938年にローザさん母娘に連絡を控えるように指示したことで途絶えた。
ドイツに住むユダヤ人は、外観はクリスチャンのドイツ人と変わらないために、おそらくヒトラーもローザさんがユダヤ人であることをわからなかったのだろう。このケースからも少数民族を排除する差別意識は個人の内面にあるゆがんだ意識から発せられるものあることがわかる。

ヒトラーのゆがんだナショナリズムのルーツとなったパン=ゲルマン主義は、ドイツ語を話す人々すべての統一を目指す考えや運動であり、パン=ゲルマン主義は、ナポレオン1世に対する「解放戦争」(1813~15年)によって刺激を与えられて生まれた。パン=ゲルマン主義は、19世紀中葉に行われた「ドイツ統一」の理念の拡大であった。19世紀は、ドイツ人の民族主義の昂揚によって、「ドイツ語響く所がドイツである」という表現まで現れたほどだったが、こうしたドイツ・ナショナリズムの影響を受けたヒトラーは『わが闘争』の中でユダヤ人を邪な人種としてとらえ、ナチスの反ユダヤ主義はヨーロッパに旧来あった「反セム主義」という宗教的な偏見に、人種的な蔑視を加えていったが、それがいかに虚構であったかは、ローザさんとヒトラーのエピソードからも容易にうかがえる。

14歳のパレスチナ人少年を拘束するイスラエル軍兵士たち https://middleeastheadlines.com/latest/481/palestinians-apprehended-by-israeli-military/?fbclid=IwAR1X2aRosn3uXnASO9RM4tRexsaPJuK88ctjYayV0ILsrhzb0a8TkrcZcio
「被造物の間の差異は外的な形に由来する。人が内なる意味を理解したとき、そこには平和がある。おお、存在の精髄よ! イスラム教徒、ゾロアスター教徒、ユダヤ教徒の間に差異が生ずるようになったのは、観点の違いのためである。」 -ルーミー
※ルーミーの訳はリアナ・トルファシュ「キリスト教とイスラーム間の宗教間対話 ――霊的道の役割――」より
アイキャッチ画像は
ローザさんとヒトラー
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181114-46204022-bbc-int

https://www.upi.com/Top_News/World-News/2014/05/02/Palestinian-Fashion-Week-kicks-off-in-Ramallah/5981399038330/?fbclid=IwAR2E9R6Hh9-qtpyVlzZzY2nvw4edGsWN3vK65XdnyxtYia2FOClZEHb0nAU
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