10月2日はインド独立運動の指導者ガンジーの誕生日で、今年は生誕154年となった。ガンジーは糸車で自身の衣類の糸を紡いだ。イギリス植民地主義によってもたらされた機械織の綿製品に抵抗する思いがガンジーにあり、糸車はインドの国旗の中にも描かれる。
ガンジーは、「暴力は何も解決しません。愛、お互いを信頼する心、理性が問題を解決します。みんなが共存することが大事なのです」と語り、サティヤーグラハ(真理の把握)運動を推進した。この「真理の把握」に、ガンジーは非暴力抵抗運動という意味を込めるようになった。
「平和は自分の内面にあり、周囲の状況に左右されない」-ガンジー
ガンジーは、自らが抵抗するイギリス植民地主義が支援したシオニズム運動(ユダヤ人の国家をパレスチナに建設する運動)をどう見ていただろうか。ガンジーは1938年に高名なユダヤ人哲学者マルティン・ブーバーから、ヨーロッパで迫害されるユダヤ人を助ける意味でもシオニズムを支持してほしいと頼まれるが、「同情によって正義を曇らせることはできない」とそれを断り、ブーバーとの対話の中で次のように述べている。

https://www.britannica.com/place/Ganges-River
「ユダヤ人の民族郷土を求める声は私の心に訴えるものがない。彼らは聖書と、執拗なパレスチナ帰還という民族的願望により、他者の土地での民族郷土設立を正当化する。しかし、自分が生まれ暮らしている国を自分の郷土とする民族はいくらでもいる。なぜ彼らも同じようにしないのか?」(イラン・パペ〔脇浜義明・訳〕『イスラエルに関する十の神話』法政大学出版局、2018年)
『イスラエルに関する十の神話』の著者イラン・パペはイスラエル・ハイファ生まれのユダヤ人で、イギリス・エクセター大学の教授だが、イスラエルによる「意図的な歴史の曲解が抑圧を強化し、植民・占領政策を擁護している」と主張する。パペによれば、シオニズムは、イギリス政府が中東に足場を築くための方策の一つであり、そのことがガンジーの心をいっそうシオニズムから遠ざけた。

OCHA(国際連合人道問題調整事務所)の2019年10月3日付報告書は、18年3月に始まったガザとイスラエルの境界近くでのパレスチナ人による「帰還のための大行進」ですでに210人(そのうち子どもは46人)が射殺されたことを明らかにした。イスラエル軍は明らかにパレスチナ人に対して負傷させることを意図して発砲を続けた。2019年2月に国連人権理事会の独立調査委員会は脅威を与えていない人物に対する銃撃は「戦争犯罪」だと断じた。
1948年12月に成立した国連総会決議ではパレスチナ難民が故郷に帰る権利(帰還権)を認めれているが、イスラエルはこれを無視し続けている。

帰還のための大行進
https://www.middleeasteye.net/news/gaza-palestinians-who-died-during-great-march-return?fbclid=IwAR3hYMNAUYd0A4-kbqCNn2j3ToNrxT43_-LkmQoGicfje_gZ9jhQ1VC7cQA
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