あまりにも著名な物理学者のアルベルト・アインシュタインのユダヤ人国家に関する当初の考えはアラブ人と平和に共存し、国境や軍隊をもたず、ユダヤ人の文化や科学を研究する中心になるならば支持するというものだった。
アインシュタインは、1938年にユダヤ人を数千年にわたって結びつけてきたものは民主的な社会正義の考えであり、それは相互扶助と寛容の理念にも基づくものであると書いているが、異教の者たちに対しても社会正義、相互扶助、寛容の姿勢で接するべきと彼は訴えていた。

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アインシュタインは、1929年にシオニズムの指導者ハイム・ワイツマン(イスラエル初代大統領)に「ユダヤ人にとって必要なのはアラブと共存することであり、それができないのであれば、我々は2000年の苦難の歴史から何も学んでいないことになる。」と語った。彼は、現在のネタニヤフ首相やトランプ大統領が推進したようなユダヤ人によるパレスチナ人支配に反対し、アラブ人が人口の多数のところにユダヤ人国家を創設することに反対していた。こうしたアインシュタインの考えはシオニストたちを失望させていたことは間違いなく、実際彼にはシオニストとしてのアイデンティティーはなかった。
1930年6月19日付の哲学者のフーゴ・ベルクマンに宛てた書簡では、「アラブ人との直接の協力関係こそが価値のあるものであり、安全なユダヤ人の共同体をつくり出すことができる。かりにユダヤ人がこれを認めないのであれば、ユダヤ人の安全は地域で次第に維持できないものとなっていくだろう。しかし、ユダヤ人たちがこれを十分に理解できるほど賢明でなく、またそれを望むほど公平ではないことは悲しいことである」と述べた。

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1936年1月25日にアメリカの法律家ルイス・ブランダイスに書かれた手紙では、ユダヤ人は本来ナショナリズムを否定する人々で、ユダヤ人共同体に永続性があるのは、地理的に分散して生活しており、民族的狂信主義から発する愚かな行為をするほどの力の道具をもっていないからであると論じている。ユダヤ人は国家をもつよりも離散して暮らすほうがその運命にかなっていると言っているかのようだった。「力の道具(=軍事力)」を行使することはかえってユダヤ人の存在を危うくするとアインシュタインは考えていた。しかし、残念ながらこうしたアインシュタインの考えとは異なり、現在のイスラエルは「力の道具」に頼るようになっている。

https://www.asianews.it/news-en/Most-Israeli-Jews-for-apartheid-regime-in-Israel-26166.html?fbclid=IwAR0L94xpAlrse9KfMM9OKADVpnv3bj7hpfu1ILAXJSzZuHJMxi0ZpRJ-TvE
1942年11月13日、ラビで平和主義者、またユダヤ・アラブの協力と和解に尽力していたジュダ・マグネスに宛てた書簡では、イギリスの仲介によることなく、アラブとの誠実な相互理解を行い、国を創設することを支持するが、シオニズムの指導者たちに不安を感じるのはまさにこの点に欠けることだとアラブ人に対する理解を深めようとしないシオニズムの指導者たちへの懸念を述べている。
アインシュタインは、まさにシオニズムの本質を見抜いていたようで、ユダヤ人のナショナリズムであるシオニズムは、アラブ人たちを分離壁によって排除し、力の道具によって彼らの民族的意志を制圧し、アラブ人に対する誠実な理解を行おうとしていない。
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