科学者アインシュタインの核兵器廃絶の訴えとホロコースト

日本語記事
スポンサーリンク
Translation / 翻訳

 昨日は長崎に原爆が投下されてから77年、長崎では平和祈念式典が開かれ、田上富久・長崎市長は、「核兵器、持っていても使われないは幻想」と述べた。


 日本の哲学者・評論家の篠原正瑛(しのはら・せいえい)氏(1912~2001年)は、1953年から科学者のアルバート・アインシュタイン(1879~1955年)と書簡の交換を行い、アインシュタインの核兵器開発における役割について批判した。アインシュタインは、日本に対する核兵器の使用を非難してきたが、その実際の使用を阻止することができなかったと悔いを述べている。


 また、アインシュタインは、イギリスの哲学者バートランド・ラッセルとともに、1955年、死の直前に「ラッセル=アインシュタイン宣言」を発表し、「われわれの前には、幸福、知識、知恵の不断の進歩がある。争いを忘れることができないという理由で、われわれは死を選ぶのであろうか。われわれは人類として、人類に向かって訴える。あなた方の人間性を心にとどめ、他のことを忘れよ。もしそれができるなら、道は新しい楽園に向かって開けている。もしできないなら、あなた方の前には全面的な死の危険が横たわっている。(岩波小辞典『現代の戦争』2002年)と核戦争が断じて起こってはならないことを呼びかけた。


 アインシュタインはナチズムの台頭に脅威を抱き、2019年3月にオークションに出された1934年に妻に宛てた彼の書簡は、自らの行動が制約されていることについて「何もかもヒトラーの狂気が原因だ。私の周りの人はみな、人生を完全に破壊された」と書き記した。また、第二次世界大戦が始まる3カ月前、ユダヤ人がナチス・ドイツに迫害される中で書かれた手紙には、「ユダヤ人が何千年もの間生き延びる原動力となってきた抵抗の力は、大部分が助け合いの伝統に基づいている」と述べた。


 しかし、戦後はユダヤ人に誇りをもてなくなったことも起こり、1948年にユダヤ人の極右の武装集団「イルグン(現在のリクードの母体)」や「シュテルン・ギャング」がデイル・ヤシンというパレスチナのアラブ人村で虐殺事件を起こすと、アインシュタインは「ニューヨーク・タイムズ」紙に意見広告を出し、これらの組織のことを「ファシスト」と形容し、ナチス・ドイツがユダヤ人に対してことと同様なことを、これらの極右組織は行ったと非難した。

https://allauthor.com/quotes/140774/


 広島・長崎への原爆投下は無垢な市民を大量に殺害したという点で、ナチスがユダヤ人に行ったホロコーストと本質的には何ら変わりがない。またユダヤ人の国イスラエルは100発程度の核弾頭を保有し、ナチスのホロコーストような虐殺を行うことが可能な国になっている。田上市長は、平和宣言の中で「核兵器が使われてしまうまで人類がその脅威に気付かなかったとしたら、取り返しのつかないことになってしまう」と述べたが、あらためて8月9日は、核兵器の脅威に思いを致す日である。
アイキャッチ画像は「アインシュタイン」のウィキペディアより

「長崎の鐘」
http://profyuki.cocolog-nifty.com/…/2017/08/post-9b7c.html

日本語記事
miyataosamuをフォローする
Follow by E-mail / ブログをメールでフォロー

If you want to follow this blog, enter your e-mail address and click the Follow button.
メールアドレスを入力してフォローすることで、新着記事のお知らせを受取れるようになります。

スポンサーリンク
宮田律の中東イスラム世界と日本、国際社会

コメント

タイトルとURLをコピーしました