東京歯科大学市川総合病院の眼科医師として勤務するエジプト人のオサマ・イブラヒム氏はエジプト・アレクサンドリア大学の医学部を卒業して世界水準の医学を学ぶために留学を考えた。白内障の患者が多いエジプトでは医師の中でも眼科医は特に権威が高いそうだが、多くのエジプト人医学生たちは米国やイギリスを留学先として選択するが、イブラヒム氏は日本で医学を学ぶ道を選んだ。日本は眼科治療では世界のトップレベルにあり、幼い頃に空手をたしなみ、師範から日本について多くのことを耳にしていた。日本は治安もいいし、医療技術も最先端である。他のエジプト人とは異なる道を選択し、日本で医学を研究するエジプト人の先駆的存在になろうとした。
慶應義塾大学大学院では外来対応、研究、学会準備など大変忙しかったが、毎晩2時間日本語を勉強して、通常では4年の課程の大学院も3年間で修了し、日本語の能力検定の最高レベルであるN1の認定を受け、また2016年に医師国家試験にも合格した。
https\://www.gov-online.go.jp/eng/publicity/book/hlj/html/201904/201904_11_jp.html
日本に留学して最大の課題は日本語で、日本語学校に通ったものの、他の学生たちと一緒のクラスでは話す機会が少なく不満に思っていた。区役所のボランティアセンターで日本語を教えてくれる68歳の女性を紹介してもらった。しかし、医学の勉強の合間にボランティアの女性と実際に会って会話する時間を見つけるのが難しく、女性に提案してスカイプで会話の練習をすることにした。ボランティアの女性はスカイプのためにパソコンを初めて買ったのだという。毎日、この女性と日本語で話をしながら会話を学び、新聞の「天声人語」などのコラム、また医療・医学関係の記事を読み続けた。
イスラム教徒として、日本に行くのはアッラーに導かれているのかなと思ったことがあったという。酒や豚肉を口にしないことについてなぜと尋ねられることに戸惑いを感じた。それほど医療の世界でもイスラムに対する理解が進んでいないということだろうが、断食月であるラマダーンも、午前中の外来、午後のオペや緊急対応など激務の医療現場でもきっちりこなせたという。
日本では毎日、新たな発見があるという。現在の米国を見ていると、差別のない日本に来てよかったと思うそうだ。日本では差別を感じたことがなく、日本ではチャレンジ精神と楽しむ姿勢があればおおいに可能性を広げることができるだろうと意欲を示す。
医師としての技量を磨いて将来はエジプトと日本をつなぐ架け橋になりたいと抱負を語る。日本で医師になる次の世代の手伝いをしたり、また日本の医師がエジプトでオペをしたりするなど医療分野で相互交流ができないものかと考えている。
https\://career.m3.com/contents/lab/foreigner-doctors_01.html
アイキャッチ画像はオサマ・イブラヒムさん
https://www.nippon.com/ja/people/e00118/?pnum=1

https://akiyamaimr.amebaownd.com/posts/3851965/

皆さん『コシャリ』って知っていますか? 何でも日本のラーメン並みにポピュラーなエジプトの国民食で、現地では街にコシャリ屋が星の数ほどあるそう。そんなコシャリを、日本でも食べられる貴重なお店が錦糸町にあります。謎のエジプトめしの魅力に迫ってみました!
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