3月20日で、イラク開戦20年となる。2004年11月、ロンドンのトラファルガー広場で開かれた集会で、イラク戦争は虚偽に基づく「戦争犯罪」だと断じた。ホーキング博士は、戦争はイラクが大量破壊兵器を保有していたこと、またイラクのサダム・フセイン政権が911の同時多発テロに関与したという二つのウソに基づくものであると主張した。イラク戦争は家族を亡くしたイラク人たちにとって悲劇であり、10万人の犠牲者のうち半数は女性や子どもであり、これが戦争犯罪でなければ、戦争犯罪とはいったい何のかと語った。
また、2013年6月中旬にイスラエルで開催される国際会議(「大統領会議」と呼称されるイスラエル大統領主催のもの)を欠席し、イスラエルとの学術交流を拒否する「アカデミック・ボイコット」に参加することになった。ホーキング博士は同年5月3日付の書面の中で、パレスチナ人研究者たちの「アカデミック・ボイコット」を尊重するようにという求めに応じたことを紹介した。「かりに会議に出席すれば、イスラエルの現政府のやり方は大悲劇をもたらすという見解を述べたであろう」とも語った。

https://latuffcartoons.wordpress.com/2013/05/11/cartoon-stephen-hawking-boycotts-israel-academic-conference-bds/?fbclid=IwAR3ni9KLbiz74juFMH_dbQtLfZ_AFQ0HL4Jl7CZBlkuxMJWC14QPFekP5I4
ホーキング博士は、イスラエルの研究機関、とりわけ大学がパレスチナ人への抑圧に加担・協力していることに疑義を抱き、特にパレスチナ人たちの犠牲をもたらすイスラエル軍との共同の研究や訓練については強く否定的な見解をもっていた。ホーキング博士は、イスラエル政府が大学教員、芸術家、さらには他の文化関係者たちを動員して国のイメージを高め、国際社会の目をパレスチナ人への抑圧からそらそうとしていると考えていた。
ホーキング博士が参加したような「BDS(Boycott, Divestment and Sanctions Movement/ボイコット・資本引上げ・制裁運動)」は、イスラエルに占領と経済封鎖を終わらせ、難民の帰還権などパレスチナ人の生きる権利を尊重し、あらゆる形態の差別を撤廃するようにイスラエルに圧力をかけるものだ。
2017年2月には、ホーキング博士はパレスチナ人の物理を専攻する学生たちが研究を継続できるように、自身のフェイスブックページで献金を呼びかけたこともあり、研究活動・協力、出版の自由のためならば世界のどこの研究者の活動も支援すると述べている。

http://gopalestine.org/
ホーキング博士の中東問題に関する「公正」な精神や想いはずっと生き続けると信じたい。特にイスラエルで極右勢力が政権に入る中で博士の訴えは貴重なものに思えてくる。
アイキャッチ画像はホーキング博士
http://www.chartwellspeakers.com/speaker/stephen-hawking/

http://gopalestine.org/
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