「中村哲医師は正しかった!!」 『武器ではなく命の水を送りたい 中村哲医師の生き方』(平凡社)が第33回読書感想画中央コンクールの指定図書(中学校・高等学校対象)になりました。「読書感想画コンクール」は、「読書によって得た感動を自由に絵画に表現する」(毎日新聞)というもので、今年の応募要項は下にあります。
コンクールは、公益社団法人全国学校図書館協議会、毎日新聞社、実施都道府県学校図書館協議会の主催によるものです。周辺に関心のありそうな方がいらっしゃればぜひご案内ください。「読書感想画コンクール」に合わせて帯も新しくなりました。
米軍の撤退後、アメリカのバイデン大統領は、「アフガニスタンからの撤退は他国を軍事力でもって変える時代の終わり」と発言しました。軍事力で他国に民主主義や平和をもたらすという考えはアフガニスタンについてもアメリカの新保守主義者などから唱えられました。しかし、それがいかに思い上がった、独りよがりの考えであったことは、アフガニスタンでタリバンが軍事力で再び政権を奪取したことからも明らかです。アメリカの軍事力の行使は結局アフガニスタンにいっそうの混乱と、暴力をもたらしました。
中村哲医師はそのようなアフガニスタンで、砂漠に水を引き、農地をつくり、人々に食を与えることによって、平和の実現を考えました。アメリカとは対極的な考えです。人は食べることができれば、武装集団などに入ることはありません。アフガニスタンは長年の戦乱や干ばつによって、戦うことが人々に生活を保障する手段になってしまいました。戦争によって産業がなくなり、また農業国のアフガニスタンで農地が荒廃したことなどがその背景あります。武装集団はアフガニスタンで影響力を増そうとする外国からの支援や、また犯罪ビジネスなどで経済力をたくわえました。
命を奪う戦争で平和の実現を考えることなどいかにバカげたことであるかを中村医師はその活動で私たちに教えてくれました。中村医師の目指したことを後世に伝えることは日本が平和な国家であり続けるためにも必要なことだと思っています。拙著は中学生、高校生の応募対象ですが、一人でも多くの青少年たちが中村医師の生き方から平和の意義について考えてほしいと願っています。
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