ダルビッシュ投手が説く寛容の精神

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 2017年のワールドシリーズ第3戦でドジャース・ダルビッシュ有投手からホームランを打ったアストロズのグリエル内野手はアジア人を侮蔑する仕草をした。


 これに対してダルビッシュ投手はツイッターで、
「誰も完全ではない
グリエルがしたことは正しくはないが、批判するよりも我々は学ぶべきだ
このような素晴らしい世界に生きているのだから、怒りを露わにするよりもポジティブに進もうではないか。すべての人々の愛を信頼する」
 と述べた。ダルビッシュ投手の父親はイランの人だが、まるでペルシア文学最大の神秘主義詩人であるルーミー(1207~73年)の詩作によって表される寛容の精神世界だ。


「あらゆる悪行や善行を越えた彼方に、
緑の野原がある。そこであなたに会おう。
魂がその草のなかで横になると、
世界はあまりにも豊かで、言葉にできなくなる。」 -ルーミー

スーフィズムの踊り
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/e/ed/Whirling_Dancer.jpg?fbclid=IwAR0mVpJWtU65e65KqTXKj0VcKi2cZh-L_9Ln-RyzNYOVUOwol-FX5lgI2cM


「おいで、おいで
あなたが放浪者、崇拝者、学問の恋人
誰であろうとかまわない
私達のキャラバンは絶望のキャラバンではない
たとえあなたが自分の誓いを
千回破ったとしても
おいで
おいで、おいで、それでももっとおいで」 -ルーミー


 アメリカのメディアでは、ダルビッシュ投手がグリエル選手をワールドシリーズ出場停止処分から救ったという論調も現れた。

ルーミーの言葉
https://i.pinimg.com/736x/1b/4b/b0/1b4bb0ebd262b25dbe90f9b341215379–quotes-rumi-persian-poetry.jpg?fbclid=IwAR2YEUa6u0VT_-gAsdJjWFV6fIEhNA7zzO32Ru9HiA7kbrfAcnDjMOgvteQ


 1995年は「国連寛容年」とされ、「寛容とルーミー(Tolerance and Rumi)」と題するルーミーの生涯に関するドキュメンタリーフィルムが制作されるなど、ボスニア紛争やルワンダ内戦を背景に人種や宗教を超えた寛容がアピールされた。

マフムード・ファルシュチヤーンの細密画
https://www.pinterest.jp/pin/331436853806158119/


 ロシアのウクライナ侵攻などがある中でダルビッシュ投手のツイートに見られた寛容や博愛の精神が広く世界に共有されることを望みたい。
アイキャッチ画像はパドレスのダルビッシュ有投手(2021年9月7日撮影)「日刊スポーツ」より

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