クリスマスは荘厳に ―宗教の共存を確認するクリスマス

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 ペルシャ文化圏のシャベ・ヤルダーや週末のクリスマスと、世界はホリデーシーズンだが、地球環境を考慮してクリスマスを脱商業化しようという論調がTomdispatich.comに現れた。 FRIDA BERRIGAN, ”A Christmas Confession: I’m Taking an Eco-Holiday From It All (and So Are My Kids)”では、消費主義も主要な環境破壊、気候変動の要因となるというのがその理由だが、同じ記事の中でアメリカのブラウン大学の計算では、アメリカの対テロ戦争で米軍は2001年から2017年の間に、12億メトリックトンの温室効果ガスを排出した。その量は、同時期にアメリカ全土で自動車が出した温室効果ガスの2倍なのだそうで、戦争は深刻な環境破壊ということがあらためてわかる。

日本のクリスマスケーキは消費主義の最たるものかもしれない
https://www.mutekiro.com/news/shop-xmascake2020/


 パレスチナのガザ地区にはおよそ1000人のクリスチャンのコミュニティが存在するが、今年イスラエルはベツレヘムなどヨルダン川西岸への移動を500人程度認めた。イギリスの委任統治支配が始まる頃、クリスチャン人口は、パレスチナ・アラブ人のおよそ5分の1いたと見積もられていた。キリスト教文化は、パレスチナ人たちの民族アイデンティティーを構成する重要な要素でもあったが、イスラエル支配を嫌い、多くのパレスチナ・クリスチャンたちは海外に移住し、現在ガザには直前に述べた通り1000人のクリスチャンたちがいるにすぎない。そのうちの4分の3が正教徒で、4分の1がカトリックだ。

ベツレヘムのクリスマス・ミサに出席するムスリムのアッバース・パレスチナ自治政府大統領
https://www.touristisrael.com/christmas-manger…/12039/


 クリスマスは、キリストの誕生日だが、イエス・キリストはイスラムの聖典『クルアーン(コーラン)』に「イーサー」という名前で登場するイスラムの預言者の一人でもあり、本来はイスラムでも高い尊敬を受ける人物である(イエスの神性はイスラムでは認められない)。クルアーンの中にはイエスが処女マルヤム(マリア)から生まれ、救世主であること、死者を蘇らせるなどの奇蹟を行ったことなどが記されている。ムスリムの男子名の中にも「イーサー」はある。


 第二バチカン公会議公文書(1964年)は、イスラムがアブラハムへの信仰をキリスト教と共有し、唯一神や最後の審判の日という共通する宗教信条があることを強調しながら、次のように述べている。


「数世紀にわたってクリスチャンとムスリムの間には不和や衝突があったが、公会議は両者が過去を忘れ、相互理解を達成するための誠意ある努力を追求することを求める。それは全人類のためであり、平和、自由、社会正義、倫理的価値を守り、促進していかなければならない。」


 クリスマスは、イスラムとキリスト教という現在一見したところ対立がある宗教の共存を確認する機会でもあり、本来は決して商業主義にひたるものではない。シオニズムがパレスチナに浸透する以前、そこに元々住むユダヤ教徒も神のことを「アッラー」と呼び、挨拶は「アッサラーム・アライクム(あなたの上に平安あれ)」だった。パレスチナのクリスチャンは現在でも神の「アッラー」という名称やアラビア語の挨拶に変わりがない。

堀田茜
https://news.dwango.jp/entertainment/43081-1911


アイキャッチ画像はベツレヘムのクリスマス
https://www.touristisrael.com/christmas-manger…/12039/

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