本の紹介
中国では新疆ウイグル自治区のイスラム教徒のウイグル人への人権侵害が特に強く指摘されるようになった。イスラムはウイグル人の民族的アイデンティティの中心にあるが、中国政府は中国の価値観にあったイスラムの教化を訴えるようになっている。イスラムの寺院であるモスクの取り壊し、「再教育センター」への大量のウイグル人の収容など、中国によるウイグル人の民族的アイデンティティの抹殺も指摘されている。ウイグルと漢民族の関係の歴史、「民族浄化」とも思われるイスラムの宗教的慣習のはく奪の現状など、ウイグル問題の淵源を探った。