本の紹介
「イスラム=テロリズム」という見方が日本社会を覆うようになれば、イスラムの側からの日本に対する見方も曇ってしまうことが懸念される。将来の世代の日本人のためにも、近い将来キリスト教を抜いて世界最大の信徒人口を抱えることになるイスラムとの関わりは重要であることはいうまでもない。日本とイスラム世界は明治期からいかに親密な感情を築いてきたのか、これまであまり明らかにされることがなかった歴史的事実から紹介した。イスラムの人々の日本や日本人に対する心情を知ることは、イスラムに対する理解を深めることにもなるだろう。また日本とイスラムの共通の精神的価値を明らかにすることによって、イスラムに対する日本人の肯定的な見方を形づくることに本書が貢献できればと願い執筆した。