ビートルズに平和を説いたバートランド・ラッセル

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Translation / 翻訳

「善き人生とは愛によって触発され、知識によって導かれるものだ」―バートランド・ラッセル(イギリスの哲学者:1872~1970年)


 この言葉に影響されて作られたのがビートルズの「愛こそすべて/All You Need Is Love」だった。
 バートランド・ラッセルが科学者のアインシュタインとともに、核廃絶の訴えをした「ラッセル・アインシュタイン宣言」を出したのは1955年7月9日のことで、日本の湯川秀樹博士も連名で署名を行っていた。


「われわれは人類として、人類に向かって訴える。あなた方の人間性を心にとどめ、他のことを忘れよ。もしそれができるなら、道は新しい楽園に向かって開けている。もしできないなら、あなた方の前には全面的な死の危険が横たわっている。」(ラッセル・アインシュタイン宣言)

http://esh.site/katsu/quotation-war


 この宣言は冷戦の核戦争の脅威がある中でアピールされたもので、ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用を口にする中、今日的意義をもっていることは言うまでもない。プーチン大統領のウクライナ侵攻には「宣言」にあるような人間性を微塵も感じないが、ラッセルは「愛国心とは、些細な理由で殺し、殺されることをいとわないものだ」とも述べたが、プーチン大統領の行動様式をまさに言い当てている。


 ラッセルは、ビートルズが政治や平和に関わる歌を作るようになったきっかけをつくった人でもあった。2008年にポール・マッカートニーは、ラッセルに面会を申し入れると気さくに応じてくれたことを回想している。マッカートニーがラッセルに会ったのは1965年で、その年の2月に米軍が北爆を開始するなどベトナム戦争が本格化する頃だった。ポールは次のように回想している。


「アメリカが自国の既得権のためだけに戦っている帝国主義的な戦争だということを教えてもらった。この戦争には反対すべきだと。それだけ聞けば十分だった。偉大なる哲学者の口から、直接、聞いたんだから。」


 ポール・マッカートニーがジョン・レノンにラッセルの話を伝えるとレノンも戦争に関心を持つようになり、その2年後の1967年に戦争を皮肉るコメディ映画「僕の戦争」に出演し、また「イマジン」「平和を我等に」など平和への想いを込めた曲を作るようになった。


 1960年代半ばになるとビートルズの楽曲は何らかの政治的メッセージをもつものが現れるようになった。1968年に発表された「レボリューション」には「You say you want a revolution. Well, we all want to change the world. But when you talk about destruction, don’t you know that you can count me out/革命が必要だと君は言う みんな世界を変えたいと思ってる だけど破壊してでもやろうと言うなら 僕は仲間に入れないで」という歌詞がある。


 アメリカ・ワシントンの「外交評議会Council on Foreign Relations」に「The Twenty Best Vietnam Protest Song/ベトナム反戦歌のベスト20」というものがあり、
https://www.cfr.org/…/twenty-best-vietnam-protest-songs…
 その中にピート・シーガーの「ブリング・ゼム・ホーム/BRING ‘EM HOME」があった。米軍のベトナムからの撤退を求めるものだが、11番の歌詞の中で”Bring ‘em Home”が繰り返される。

https://estreetshuffle.com/index.php/2021/06/23/rotd-cover-me-bring-em-home/

https://youtu.be/Ww135xZEYAA
アンクルサムが好きなら
Bring them home, bring them home
べトナムの少年たちを支援する
Bring them home, bring them home
将軍が悲しくなるよね
Bring them home, bring them home
彼らは敵との戦うことを望んでいる
Bring them home, bring them home
彼らは武器をテストしたい
Bring them home, bring them home
しかし、ここに大きな誤りがある
Bring them home, bring them home
 ウクライナに侵攻するロシア軍も、シリアの傭兵たちもBring them home, bring them home!

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