指揮者のバレンボイムはパレスチナ国家承認を求める

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 朝日新聞の石合力さんによる「異なる音色、混迷の世界で イスラエル国籍の指揮者バレンボイム氏」と題する記事の中で、世界的に著名な指揮者・ピアニストであるダニエル・バレンボイム(Daniel Barenboim)氏は、「中東紛争(パレスチナ問題)では、国家と軍隊を持つイスラエルに、より大きな責任がある」と述べた。バレンボイム氏はトランプ前大統領によるエルサレムへのアメリカ大使館移転に反対して「まず関係国はパレスチナを主権国家として承認すべきだ」とイスラエル紙に寄稿した記事の中で書いた。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13546186.html
 バレンボイム氏は1942年にアルゼンチン・ブエノスアイレスにロシアから移民したユダヤ人の家庭に生まれた。ピアニストとしてベルリンフィルと共演したのは21歳の時で、その5年後にベルリンフィルの指揮者も務めるようになった。
 1999年、ウェスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラをパレスチナ系アメリカ人の故エドワード・サイード氏とともに立ち上げたが、このオーケストラには14歳から25歳のイスラエル、レバノン、ヨルダン、チュニジア、パレスチナ、スペインからの若い音楽家たちが参加した。

バレンボイム氏、パレスチナ・ユース・オーケストラの楽団員たちと
2004年5月、ヨルダン川西岸ラマラ(ラマッラー)
https://www.gettyimages.co.jp/detail/ニュース写真/israeli-pianist-and-conductor-daniel-barenboim-is-seen-during-a-ニュース写真/519540642


 オーケストラの中では誰もが平等であり、もしオーケストラの中にパレスチナ人のクラリネット奏者が難しいソロ演奏をする時に、イスラエル人の演奏家たちもそのパレスチナ人奏者の演奏が成功することを望むだろうと語っている。(CBSの記事)
 日本では、2007年に高松宮殿下記念世界文化賞を授与され、また同年、国連平和大使にも任命されている。
 バレンボイム氏はイスラエルのパレスチナへの占領政策を「倫理的にも嫌悪すべきで、戦略的にも誤っている」と批判し続けている。

バレンボイムとエドワード・サイード
https://barenboimsaid.de/about/history


 ネタニヤフ首相のイスラエル、またその後ろ盾となっているアメリカにはバイデン政権になってもパレスチナ国家創設を認める姿勢がいっこうにない。
 バレンボイムが占領政策を「戦略的に誤っている」とするのは、それが長期的には、パレスチナとイスラエルの相互不信の背景となり、いつまで経ってもイスラエルは自国の安全保障に敏感な国であり続け、また力でもって国際法違反の行為を行うことは、イスラエルそのもののイメージを壊し、暴力の種子をまき続けることになるからだ。

パレスチナ・ユース・オーケストラ
https://occupiedpalestine.wordpress.com/2013/03/22/palestine-youth-orchestra-a-bridge-to-the-world-by-docjazzmusic/?fbclid=IwAR1Ay0hhjXj9o7K7s4RcY2x738Ia0KGoMV_88p_wR2LBBF7vUNhM4M2NFQw

アイキャッチ画像はバレンボイム氏

バレンボイム氏
https://www.classicalwcrb.org/articles/2017-01-19/why-bruckner-matters-a-listeners-guide-with-daniel-barenboim?fbclid=IwAR0vsUxyE5SQeVbbl1AFrhgm-ddqfQaKSnLUjg2JywHUE6zFy1uhnoHGrK0#stream/0

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