パリ、ゲッティンゲンとシリアの子供たち

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Translation / 翻訳

 2015年11月13日のパリ同時テロの追悼の国家式典の中でフランスの歌手バルバラ(1930~1997年)の「ペルランパンパン」が鎮魂の歌としてソプラノ声楽家、ナタリー・ドゥセーによって歌われた。

https://digital.asahi.com/articles/ASPDP3DNVPD8UHBI019.html

「ペルランパンパンPerlimpinpin」は本来「インチキ、いかさま」といった意味で、昔、香具師が売ったインチキ万能薬を「poudre de perlimpinpin」といった。

 バルバラの「ペルランパンパン」の歌詞は下の通りだ。

誰のために、どのように、何時、なぜ?

誰に対して?どんな風に?何に対して?

あなた方の暴力はもうたくさんよ?(中略)

銃の先で死ぬ子どもは

死ぬ子どもに変わりないのだから

二つの無垢な存在のどちらかを

選ばなければならないなんて、なんてひどいこと!(後略)

#旗旗,Bund.JP
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 戦争で暴力を封じるのは「インチキ万能薬」だとバルバラは言っているように思える。

 同じバルバラの歌「ゲッティンゲン」には

「流血と憎悪の時代に

二度と決して戻りませんように」

 という一節がある。フランスとドイツは長年敵同士であったが、バルバラはドイツのゲッティンゲンを訪れて、この歌詞をつくった。パリであろう、とドイツであろうと子供たちは子供たちなのだと彼女は言っている。

慶應義塾大学湘南キャンパスでアラビア語を教えるアフマド・アル・マンスール氏(シリア人)は全世界には16億人のムスリムがいます。そのうちのごく少数が暴力事件を起こしたからと言って、それをイスラムのせいにすることはできません。かれらは本当に例外的な人たちです、と語っていたが、その通りだろう。

パリ同時多発テロ事件の犠牲者に捧げたバンクシーの作品
https://www.excite.co.jp/news/article/RollingStone_29897/

 2015年11月にパリで同時多発テロが発生すると、シリア出身でUAE在住の女性アナウンサー・シャハド・バッラードさんはツイッターに「敬愛するパリよ、貴女が目にした犯罪を悲しく思います。でもこのようなことは、私たちのアラブ諸国では毎日起こっていることなのです。全世界が貴女の味方になってくれるのを、ただ羨ましく思います。」と書き込んだことを思い出す。

フランス同時多発テロの裁判
https://www.fox2detroit.com/news/2015-paris-terror-attacks-verdict-looms-surviving-suspect-historic-trial

フランスのオランド大統領は追悼式典で「みなさん全員におごそかにお約束します。フランスはこの罪を犯した狂信者たちの軍を破壊するためにあらゆる手段をつくし、後退することなくフランスの子どもたちを守るために対処します。」と語り、過激派制圧のためのシリア空爆に乗り出していった。しかし、フランスの子供を守るために犠牲になるシリアの子供たちがいることを忘れてならない。

「ペルランパンパン」 バルバラ (不定期連載「世界の反戦歌・反戦詩から」) (2015年11月27日、パリ、犠牲者追悼式典) - 村野瀬玲奈の秘書課広報室
社員一人のサイバー政治団体(笑)「世界愛人主義同盟」秘書課勤務、村野瀬玲奈オフィシャルブログ。日本の政治は消費税増税・震災復興増税を福祉にも被災者にも使わず、雇用と社会保障を弱体化させるだけ。日本の政治の何が間違いなのか過去の失敗と国際的歴史に学んで、議員や政治やマスコミに意見を届けましょう。

アイキャッチ画像はオークフリーより

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