農業ほど平和を感じさせる産業はない。911同時多発テロ15年の特集として制作されたNHK・ETVのドキュメンタリー「武器より命の水を」の中で中村哲医師がつくった用水路によって稲、麦、野菜、果物が収穫され、魚が用水路を泳ぎ、生きとし生けるもの、すべてのものが和すこと、それが平和であることを伝えていた。
「トルコの本来の主人は、実に生産者である農民である。従って、すべての人よりも繁栄と幸福、富にふさわしい者は農民である。」 ―ケマル・アタテュルク(トルコ共和国初代大統領)
「大地を耕す事を通じて農夫は少しずつ自然のあらゆる秘密を引き出す。その鍬によって掘り出した真実は普遍的です」 ―サン・テグジュペリ
2015年5月に映画「NORIN TEN 稲塚権次郎物語」公開初日に舞台挨拶に立った俳優の仲代達也さんは、「戦争を経験し、食糧難で農業の大切さを痛感しています。ここ最近、きな臭い出来事が多い中で、この作品を皆さんがどう見てくれたか知りたいです」と語った。(朝日新聞より)

https://realsound.jp/movie/2018/11/post-276910_2.html
日本の農業は平均年齢が67歳、就業者数は2018年までの10年間に4割も減少した。農業分野でも若い外国人労働がますます求められるようになっている。
農林水産省は「農業の外国人技能実習生受入れの優良事例」として匿名ながらも香川県の正社員4名、技能実習生10名、パートなど2名、経営規模55ヘクタールでレタス、ネギなどを生産する経営体を紹介している(雇用人数は19年1月現在)。この経営体では人事・昇給制度も日本人正社員と同等、実習3年目の女性実習生を作業部門に登用し、技能実習生を受け入れることで事業規模は拡大し、販売高は受け入れ前の10倍にまで伸びた。この経営体では地域の行事などにインドネシア人実習生たちの参加を促し、また祭りではインドネシアの歌を歌うなど実習生たちをコミュニティーにとり込んでいく配慮を行った。
ムスリムの農業労働者を受け入れるには、礼拝、食事などイスラムの教義にも配慮しなければならないが、一般的な傾向はインドネシア人などムスリムの農業実習生は一日の礼拝の数を減らしたり、食事も自炊したりするなど彼らのほうが日本社会に配慮しているようだ。
アイキャッチ画像は映画「アンダンテ~稲の旋律」出演の女優 新妻聖子さん
http://www.nouminren.ne.jp/dat/201001/2010011101.htm
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