女優の木内みどりさん(1950~2019年)は学生時代に住んでいた目白のピーコックに一人で買い物に来ておられたのを何度か拝見したことがある。TBSのポーラテレビ小説「安ベエの海」で主演するほどの有名人だったので、とても話しかける勇気はなかった。テレビでは元気のよい印象だったが、買い物は静かに淡々とあまり迷うことなくされていた。当時流行っていたソバージュの髪型だったのが記憶に残っている。
2011年3月11日を境に「脱原発」や「戦争反対」の活動を開始し、元・京都大学原子炉実験所の小出裕章さんの「(原発について)騙されたあなたにも責任がある」という言葉を聴いて以来考えが変化したのだという。2018年「木内みどりの小さなラジオ局」というWEBラジオを開局し、自分でレコーダーをもって出かけインタビューして政治や社会、文化などの問題に取り組んだ。

https://kimidori-radio.com/books/
木内さんは戦争については911の同時多発テロから12年経った2013年9月に「死ぬのは一般市民!」とツイートし、
「戦争で死んだ、軍人と一般市民の割合。
第一次世界大戦 軍人95% 市民5%
第二次世界大戦 軍人52% 市民48%
朝鮮戦争 軍人16% 市民84%
ベトナム戦争 軍人 5% 市民95%」と作家井上ひさし氏が講演で紹介した数字を挙げ、人類が戦争を重ねる度に市民の犠牲が著しく増加したことに触れた。
イラク戦争ではナショナルジオグラフィックの推計によれば、イラク人50万人が亡くなった。米軍の戦死者は4,424人と正確な数字が出るが、イラク兵の犠牲者の数は不明である。イラクの元軍人が武装集団のメンバーに転じて亡くなったケースもあるが、具体的に把握することは困難だ。2003年5月1日にブッシュ大統領がイラクでの大規模戦闘終結宣言をするまではイラク兵の戦死者は判明できていたかもしれないが、しかしその後、元軍人たちは市民にまぎれて戦闘を行った。イラク戦争の犠牲者の大半は市民と言ってもよいだろう。元々イラクの人々が死ぬ正当な理由はなかった。
2015年3月に始まったサウジアラビアなどによるイエメン空爆ではおよそ8000人の市民が亡くなり、紛争による飢餓によって8万5000人が死んだと見積もられている。(The Armed Conflict Location and Event Data project (Acled))

https://maga9.jp/kiuchi170802/
フランシスコ教皇が訪れる広島、長崎の犠牲者のほとんどが市民であることは言うまでもない。
木内さんは「致死率100%の人生。67歳の今、あと、何年生きられるのかを考えるようにもなりました。だからこそ始めてみることしました。聴いてください。」と「小さなラジオ局」を開局するにあたって昨年7月に述べている。https://kimidori-radio.com/about/
私もあと何年続けられるかわからないが、このメルマガやフェイスブック、読んでください。
アイキャッチ画像はチベット騒乱について語る俳優の木内みどりさん。「ひとごとと思っていた他国の出来事を悲しみ、痛みを感じる自分がいたんです」=2008年8月
https://digital.asahi.com/articles/ASMCP2SH0MCPUCLV001.html
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