滋賀県立盲学校(彦根市)で、あんま・はり・きゅうを教える全盲のバングラデシュ人ロイ・ビッショジト氏は、2015年に顕著な活躍をする障害者に贈られる塙保己一賞の奨励賞を、海外出身者として初めて受賞した。

塙保己一賞は江戸時代の全盲の国学者・塙保己一にちなんで、出身地の埼玉県が創設したもので、奨励賞は40歳未満の個人を対象にしたものだ。ロイさんは、バングラデシュの首都ダッカの北600キロにあるネットコロナという町で生まれ、生まれつき目が見えず、4歳の時から寄宿舎で生活しながら点字で学べる学校で学ぶようになった。バングラデシュ・ダッカの高校生だった時、全国弁論大会で準優勝したことが現地の日本人の目にとまり、視覚障害者の日本への留学を支援する国際視覚障害者援護協会(東京)を紹介されて、ダッカ大学1年生の時、1996年に初来日し、協会の奨学金で高知県立盲学校に入学して、日本語と理学療法技術を学んだ。
日本語の母音(アイウエオ)と子音(カ行、サ行、タ行など)の点字の配列の規則性にとても感動したそうだ。50音の点字を3日で習得して、日本留学の試験に合格した。高知ではカツオの藁焼きの音と匂いを感ずると生唾が出るようになったという。
ダッカでは日本の高校2、3年生に相当するカレッジでは成績優秀者に与えられる奨学金や医師たちからの支援で学んだが、2005年にNPOの「ショプノ(バングラシュのベンガル語で「夢」を意味する)」を設立し、自らが学んだカレッジに奨学金や点字盤を贈る活動を開始した。バングラデシュの視覚障害者にも夢をもってほしいと語り、自分が学んだことがバングラデシュの視覚障害者の職業的自立に役立てばとも言う。
ロイさんはマラソン・ランナーでもあり、ボランティア精神に富み、伴走者が多い日本だからマラソンが可能だと語る。点字ブロックが日本で生まれたことを指摘しながら、「ピヨピヨ」「カッコーカッコー」など信号機から出る音が東西南北の方角を教えてくれ、日本の視覚障害者への細やかな配慮が素晴らしいと称賛する。また、様々な感覚を通じて彦根城周辺の桜の美しさや、琵琶湖の雄大さを感じ、さらに琵琶湖のきれいな波音が好きだと語り、ずっと彦根市に住み続けたいと希望を述べる。

http://www.chikyudori.com/japan/hikone-castle/?fbclid=IwAR1uVjyO1T4Q1th12XqlH6R5C5MvT2v3YkIq9Vz4XDxBkuWQqh95adIQdCk
教員資格は筑波大学で2年間学んで取得した。来日する前の日本のイメージについては来日経験のあるバングラデシュの大学教員から「日本人は親切だから心配しなくてよい」と言われたり、バングラデシュの小学校の教科書には「日本人は親切で、お母さんはとても優しいから子どもたちを泣かせない」と書かれてあったりするという。(滋賀県国際協会「在住外国人INTERVIEW」より)
アイキャッチ画像は「ワタシが日本に住む理由」
今夜のお客様は、
バングラデシュ出身のロイ・ビッショジトさん。
生まれながらに目が不自由なロイさんの
日本に住む理由とは?
https://ameblo.jp/takahashi-katsunori/entry-12381322724.html

https://dynamichide-photo2.blog.ss-blog.jp/2012-11-26
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